小雨降る六本木ヒルズ・森美術館。

上記タイトルだとまるで雨模様に飽きてちょっと美術館にでも、、、のような、
なんだか素敵な(?)雰囲気がありますが、実は逆です(笑)美術館に行った
その日が雨だったのです。5月7日。どうしてもその日行かねばならなかった。
“東京-ベルリン/ベルリン-東京展”の最終日だったのです。
「日本におけるドイツ年」として2005年-2006年にかけていろいろなところでドイツ
を身近に感じることのできる催し物が行われてきました。その最後がこの展覧会。
日本とドイツ、それぞれの首都で繰り広げられてきた文化。
そこには互いを意識し、刺激を受け与えた軌跡があります。
森タワー52階、Tokyo City View-六本木ヒルズ名物の展望台-を降り、
高速エレベーターに遠くなった耳を起こしつつ、フロアーの中心へ。ど真ん中に
突き抜けるエスカレーターを上がると53階、森美術館があります。
さてさて、覗いてみると・・・

中は11のセクションに分かれ、絵や写真、冊子などの作品が時代の変遷と
共に紹介されています。(その数約500点とか。)私は美術専門ではないので、
ここでは美術史実(なんとか派の絵とか、なんとか運動の誰さんとか・・・)などの
説明は割愛させて頂き、これまで美術の世界に縁遠かった素人の私でも
“ちょっとおもしろい”と印象に残った部分を綴っていきたいと思います。
最初は1920年代。絵を理解するのはやはり難しいなあと思いつつも
(タイトルとその絵がどう結びついてるのかちんぷんかんぷん^^;)
当時のベルリン・東京の地図に確かにそこにあった“事実”を感じました。
思わず「おおっ」と思ったのはKaDeWe、ベルリンで行ったことのあるデパート
のポスター。日本で言う三越のような感じ?老舗ってほんと“老”舗ですね。
2,3セクションを歩くと日本のモダンガール(モガ)、モダンボーイ(モボ)の
時代に入ります。当時のおしゃれを感じつつ、続いて出てきたのはナチス台頭の
ドイツから逃れたブルーノ・タウトの作品。日本人でない彼が作る日本的作品
(化粧箱など)に目を奪われる・・・
そして1930年代後半、いよいよ暗黒(戦争)の時代がやってきます。
真っ青な空の中、B29に飛行機が体当たりした大きな絵が印象的で、
皆立ち止まっていました。でも私がより長く立ち止まったのは・・・
コルヴィッツ作の彫像“死せし息子を抱く母”(の小さいバージョン?!)。
どこかで見たことある、、、と思ったらベルリンのノイエ・ヴァッヘだ!
でもノイエ・ヴァッヘの中央にあるこの像は奥にあってちょっと暗いからよく
見えない、というわけでここでじっくり見てしまいました。
でも伝わってくる悲しさはどこで見ても同じでした。
ブランデンブルク門の写真も感慨深い、、、あの門はいろいろな歴史を見て
きたのだなあと。
1945年から1950年代の復興、1960年代を経て、最後は現代美術
セクションです。ここでは進化するベルリンにおけるアーティストたちの
ごく一部の作品が展示されています。
今回私の中に一番残ったのはその中にあったニナ・フィッシャー&マロアン・
エル・サニの作品。“共和国神殿―ホワイトエリア”。暗い部屋に入り、中心に
立つと前後にスライドがあり、映像の中では景色が少しずつ流れています。
それは共和国宮殿の内部映像です。映像が自分の視線を中心にずっと横に
流れているので、それを見ていると動いているのが映像ではなくて、自分が
あたかも宮殿の中心にたってそこでまわりを見渡しているかのように思えます。
まるでドラえもんのどこでもドアで瞬間移動した気分です。外からしか見たことが
なかった共和国宮殿の内部。そこには広大な空間、そして鉄筋ばかりで何もない、
薄暗くしーーんとした空気が漂い、一人で見ていると少し怖くなってくるぐらい
です。(ずっと見てたら部屋に一人になってしまいました。。。)
もちろん前後は違う映像です。前の映像にただ広がる空間、そしてその遠く先に
小さく窓が見える時、後ろの映像をさっと見ると大きな窓の向こうに雨の(曇り?)
ベルリンの街が見えます。この共和国宮殿は今取り壊し工事が行われている
そうです。この映像はその前に撮られた最後の姿でしょうか。
象徴が消える時・・・中に渦巻く過去の光、もの悲しさと寂しさと、そして・・・
結局かなり独りよがりな感想になってしまいました^^;
展覧会にある全ての作品を理解し、おもしろいと思うことは大変困難です。
でもたくさんある展示物の中に、はっと感動したり、おっと興味をそそるものが
一つでもあれば、私は行って良かったと思うのです・・・もちろんたくさんわかるに
越したことはありませんが。というかできればわかりたいですが・・・

さて、同展示会は来月6月にベルリン新国立美術館に巡回します。
(最後の現代美術セクションは、ベルリン新国立美術館では東京に関する
展示物を出展とのことです)
ベルリンの人はたくさんの絵や写真、映像を見て、どんな作品に何を思うの
でしょうか・・・そしてベルリンから見た日本はどのように見えるのでしょうか・・・
メモ:
出口にアディダスが作ったモデルシューズが二足あり、それぞれ宮本選手・
中村選手のサインがありました。ワールドカップ、もうすぐ!
今日は午後二時以降のネットアクセスが困難でした(笑)